空間リズムゲーム(工大祭)
概要
イルミネーションに囲まれた暗い空間で,光る球体(ノーツ)をタッチして遊ぶ「空間リズムゲーム」です. リズムに合わせて空間の様々な場所に出現するノーツを追いかけ,直接タッチする没入感と,友人や家族と共に同じ空間で楽しむ協力体験が特徴です.
- 制作期間: 2025年5月〜2025年11月(約6ヶ月)
- 担当範囲: 構造設計,回路設計・実装,組み込みソフトウェア(ESP32),UnityとのUDP通信
以下は,文化祭当日に来場者に実際にプレイしていただいた際の映像です.
開発の思い
高専1年時に文化祭クラス企画を一緒に作った友人と「またなにか作りたい」という話になったのがきっかけです.
企画の条件として以下を設定しました.
- リアルに存在すること(バーチャルに収まらないこと)
- 誰も見たことのない作品であること
- 演出とゲームの2つの要素があること.空間の雰囲気づくりを優先し,演出をメインとすること
また,学園祭では模擬店や展示が多く,深い「体験」を届けるコンテンツが少ないという課題意識もありました.来場者の記憶に残る「圧倒的な非日常体験」を届けることを目的として本企画をスタートしました.
こだわり
非日常な光の演出
チームラボのような空間をモチーフに制作しました.暗い空間で,周りをすべて光で演出することで,圧倒的な「非日常的な空間」を生み出しました. 合計15,360個のLEDで空間全体を覆い,ゲームの判定に応じてリアルタイムで演出が変化します.
協力型のリズムゲーム
既存の「協力型」リズムゲームは別々の画面で別々のノーツを叩くものが多いです.本企画では,1つの空間に複数人が入り,共通のノーツをタッチします.仲間との協調に本能的な快感を感じる,根源的な喜びを呼び起こす体験を目指しました.
製作
使用ツール・環境
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| ゲームエンジン | Unity |
| マイコン | ESP32-C6 × 8台 |
| 通信 | UDP(Unity ↔ ESP32) |
| LED | NeoPixel(WS2812B)合計15,360個(480個 × 4系統 × 8台) |
| タッチセンサ | 静電容量式タッチセンサIC |
| 造形 | 3Dプリンタ |
| 構造 | イベント用テント+DAISOの伸縮棒 |
ノーツの仕組み
球体のノーツには8×8のLEDマトリクスと,静電容量式タッチセンサICを内蔵しています.ノーツ表面に太さ0.06mm(髪の毛と同程度)の銅線を張って電極とし,タッチを検知します. 工大祭の後,回路はプリント基板で製作し直しています.
黄色く点灯させたノーツの様子
ノーツの内部の様子
プリント基板で作り直した基盤
システム構成
Unityで中央制御を行い,UDP通信で8台のESP32-C6に命令を送信します.各マイコン内で4系統(演出用LED×3,ノーツ×1)を制御しています.
システム構成図
構造部
構造はイベント用テントに,DAISOの伸縮棒と3Dプリンタ製の接続部品で追加フレームを組み,そこからLEDとノーツを垂らす方式です.
構造部の設計
構造部の実装
成果・実績
以下の5つの文化祭・イベントに出展し,合計約565名に体験していただきました.
| 日付 | イベント名 | 来場者数 |
|---|---|---|
| 2025/10/13 | 東京科学大学デジタル創作同好会 traP10周年「traPavilion」 | 進捗を産む人の展示 |
| 2025/10/18-19 | 東京科学大学 医歯学系 文化祭「お茶祭」 | 約30名(イルミネーション展示) |
| 2025/10/25-26 | 群馬工業高等専門学校 文化祭「工華祭」 | 約70名 |
| 2025/11/2-3 | 東京科学大学 理工学系 文化祭「工大祭」 | 約273名 |
| 2026/3/8 | 東京科学大学「彩燕祭」 | 約192名 |
大学のSNSでも取り上げていただくなど好評をいただきました.
3月8日に開催された「彩燕祭2026」は、工大祭2025の代替イベントと新入生歓迎を融合した新たな試みでしたが、地域の方々や多くの皆様のご来場により、活気あふれる1日となりました。
— Science Tokyo (東京科学大学) (@sciencetokyo_ja) 2026年3月19日
開催に向けてご尽力された彩燕祭運営委員の皆さま、関係者の皆さま、お疲れ様でした!#ScienceTokyo pic.twitter.com/erMJcBROb2
今後の課題
- フレームレートの改善: Unityの演出アルゴリズムが重く,ノーツの反応が遅れる問題があった.演出の軽量化が必要.
- タッチセンサの安定化: 静電気による誤検知・故障が複数台で発生.イベント中に修理が必要になる場面もあった.原因究明と対策が課題.
- 進捗管理の改善: 量産部品の発注・3Dプリンタ部品の量産は時間がかかるため,1ヶ月前には完成させてテストする体制を作る必要がある.
関連リンク
- 公式Twitter: 空間リズムゲーム @arte_3d_rhythm
- 公式Instagram: 空間リズムゲーム @arte_3d_rhythm
- 制作日記: 文化祭で「空間リズムゲーム」を作った話|wakky
- GitHub Organization: arte-studio